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医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEFGE

2021.10.11

症例相談

他院のある歯科医師から相談を受けました。
たまに症例相談はあり、ベースになる文献に加え、僕なりの臨床経験で思う事を御返答させて頂いています。

簡単に言うと、ある歯が残せるか否かという相談でした。

その歯は手術をして残せる可能性はゼロではないと思いましたが、その前にある相談を受けていない歯は抜歯だと思いました。
また、視野を口の中全体に視野を広げてみると、全体的に歯周病が進んでいる事と、虫歯で歯髄(神経)を取っている歯も多く、多くの歯に被せ物やブリッジが入っていました。
全体の口腔内の清掃状況が悪いだけでなく、主にどこで噛んでいるかによって設計も治療の順番も大きく違うのでまだ治療に入らずに問題点をリストにし、そこから追加検査が必要であれば行い、診断を明確にした上で口腔内全体の治療計画と順番をやり直した方が良いと返答しました。

質問内容から感じた事は、目線が「部分的な病気にフォーカスされ、全体に目が届いていない」ということです。
もしかしたら患者さんの主訴がその部位だったのかもしれません。他は痛みがなく、主訴から解決しようと歯科医師は思ったのかもしれません。

当院では初診で来院頂いた患者さんの多くは
1日目 カウンセリングと検査 
その後、患者さんが帰られた後に診断、追加検査の必要性の検討、治療計画をカンファレンスを行い検討

2日目 セカンドカウンセリング 追加検査の必要があればその御説明、治療計画に複数選択肢がある場合は患者さんの希望と当院で治療を行うにあたり医学的に妥当な事と可能な事をお伝えしながら一緒に決めます。

治療はその後になります。

患者さんによっては「今日出来るだけやってもらえませんか?」という方もおられます。
患者さんは治療期間は短く、回数も少なくして欲しい事は僕達も分かっています。

だからこそ、急を要する治療は別にして、歯科医師は検査結果を見直しながら治療計画を立てる事が必要だと思うのです。
一般開業医は多くの場合、院長1人が歯科医師で、いても非常勤のドクターが何人かいるという場合がほとんどです。
1日の診療は患者さんに追われる中で1人の患者さんにかけられる時間は限られています。
出来るだけ親切に、時間に追われる事なく診療したいのは全ての歯科医師にとって理想であるのは言うまでもありません。
しかし、次の予約が入っている場合が殆どですし、経営的を維持するのに1日に診療する患者さんの数はある程度適正数があります。歯科医師1人の歯科医院であれば、保険中心で行う場合はどんなに少なくとも最低20人/日、出来れば30人/日は診療する必要があります。
しかし歯科医師1人でこの人数を診察するのは診療内容にもよりますが、診療時間を診察する人数で割ると1人30分以下の診療時間になるので、そんなにゆとりのある時間の使い方は出来ません。
時間に追われる中で判断をするのは至難の業です。
1本の歯に虫歯があるとかないの診断と難しくない治療であれば30分で十分ですが、全体の診断と説明を行うには到底時間が足りません。
僕が補綴(歯の形や歯そのものがなくなった部位を補う分野)で習ったものの中に「自己カンファレンスシートの記入」があります。
今回もたまたま僕に相談をする為に治療するのを待っていますが、もし自分で判断して言われるままの部位に手をつけると、最終的な治療設計が変わった場合にそれまでの治療時間が無駄になってしまうこともあるのです。
問題点の多い患者さん程、診療時間外で時間に追われず冷静に問題点を抽出し、解決方法を考える工程が必要なのです。
だからこそ、診療時間の後に当院ではカンファレンスを行います。
複数の歯科医師で自分の考えたことや見えているものは客観性を持ったものであるのかをお互い確認する為です。

重ねて申し上げますが患者さんが回数少なく早く終わって欲しい事は承知しています。
しかし、正しい診断をし、患者さんの希望を聞いた上で適切な治療を選択する事には時間がかかります。
そして歯科の病気の多くは急になったものではなく、生活習慣に起因するものです。
その場で起きている問題の修理だけしても、原因が放置されたままでは次に新たな問題が起きる負の連鎖は断つ事が出来ません。

友人の歯科医師からの相談で、複数の歯科医師で仕事を出来ているありがたさと更に診断とカンファレンスの重要性を感じました。