医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEFGE

その他2021.09.30

良い歯科医院を創るということ

良い歯科医院とはどんな歯科医院でしょうか?
患者さん目線で見れば
「治療が上手い」「痛くない」「料金が明確」「しっかり説明をする」「対応が丁寧」「予約がとりやすい」「待たない」「衛生的」「設備が整っている」「バリアフリー」「通いやすい立地」「駐車場が広い」
などかと思います。
開業して14年間、出来るだけこれらを満たす歯科医院にすべく改善を繰り返してきました。
治療技術を磨く
学会、勉強会、セミナー参加をしまくる
上手な麻酔の打ち方を習得、勤務医にも教える、
料金表を作る、
初診の患者さんはすぐに治療に入らず、カウンセリング→検査→患者さんとの打ち合わせ という時間を取る、
医院の増築をし最新設備を揃える
人員を増やす、
コロナ対策の徹底
院内マニュアルを作成して滅菌、殺菌、消毒などが徹底される様にする
などです。
最近では、はらこどもクリニック隣に駐車場用に土地を購入して、現在工事中です。
何メートルか離れますが今までよりは駐車しやすくなると思います。

一方で従業員目線で見た「良い職場」とは何でしょうか?

「やりがいがある」「スキルアップが出来る」「人間関係が良い」「給与が高い」「休みが多い」「仕事がキツくない」「早く帰れる」「福利厚生が手厚い」などかと思います。

このことに関しては
実際の診療以外の学びの機会を作る、その為に先輩衛生士や歯科医師の診療を入れず教育だけの時間を作る
日曜日診療を毎週から月1回へする
診療時間の終了を20:00→18:30に変更する
医業収入を増やし、スタッフに割く予算を増やす
マニュアルを作り、迷わず仕事が出来る様にする
などのことを行なってきました。
この中には患者さんの利便性を損なう事も含まれています。
しかし、スタッフを雇用し、良い環境にする為に決断をしたこともあります。

僕は開業当時33歳で、勤務医をする中で歯科医学的な部分ではある程度の事が出来ると判断し開業に踏み切ったものの、経営的な知識は全くなく、財務の面もスタッフマネージメントの面も学んだことがありませんでした。

案の定、開業してしばらくは経営もスタッフとの関係も上手くいっていませんでした。
試行錯誤、毎日苦しみながらの日々でした。
気がつけばあっという間に14年間の月日は流れました。
うまく出来ずに悩んだので、素人だった医院経営について誰かに教わりたくて外部コンサルタントの方に医院運営のお手伝いをお願いし、課題とその解決方法についた相談させて頂いています。
コンサルタントの方に聞いてみると現在、医院としての患者さんの数などは日本の上位0・5%くらいだそうです。
開業当初は患者さんが沢山来てくれて、来てくれた患者さんを治す治療技術があることが医院経営が上手くいっているということだと思っていました。そういう意味では開業当初に想定していたよりも経済的には良い結果であるはずです。
しかし、今も、全てうまくいっている、安定したと安心出来た事は1度もありません。
むしろ規模が大きくなったり人が多くなったりしたからこそ生まれた課題も多いと思います。

先日も採用、教育、運営などで落ち込んだときがありました。

その時、衛生士チーフが「はらデンタルクリニックというブランド」について家で考え、書面にしてくれていました。
そこには院長の方針を理解、共感したからこそ10年以上ここで働いてきたし、今、問題があるにしても今まで成し遂げてきた事は決して間違いじゃない、誰が何と言おうと「こういう診療をしよう」という思いの強さがあったからこそ今があるんだと書いてありました。

仲間は本当に大切です。この言葉に救われました。
理念や目標を共有出来る仲間が折れそうな時に支えてくれます。
ここまでこれたのは共感して同じ道を共に歩んでくれる人達がいたからです。
落ち込んだのは今の課題ばかりに目が行き、過去の自分や医院を承認できていなかったからです。

毎週、医院をどうしていきたいか、ということをチーフ会議で話をします。

患者さんにとって通う価値がある歯科医院にする事はいうまでもありません。
患者さんへの対応、診療に関する知識や技術、患者さんに分かりやすい丁寧な説明、医院の衛生状態や設備のアップデートは引き続き行っていきたいと思いますし、やるべき事は明確です。

それに加えて医院をあげてやらなくてはいけないのは「人が育つ組織作り」です。
仕事を通じて人間として成長できる医院創り。
患者さんに喜んでもらう経験、仲間同士が助け合う事を通して医院もスタッフも成長できる環境、仕組みを作る事。

良い医院とは

「患者さん、スタッフ、医院、の3者に全てに良い影響を創造できる場所」

と僕たちは思っています。
そして今日もそこに近づいていける様に頑張ろうと思います。