その他2025.11.09
医院理念の文字化
30名を超えるスタッフを雇用すると、色んな事が起きます。
色々、歯科医師としても院長としても課題や問題はあるけれど、最も頭を悩ませるのは「人」の問題です。
スタッフが少数であった時は通じていた事が通じなくなったり、目が届かなくなることも増えてきました。
院長の僕も50を過ぎて、若くは見えても(だってそう周りに言われるから勘違いじゃないと思います)スタッフとのジェネレーションギャップも出てきているのは感じています。
その為、世代や立場を超えて、歩む方向を共有出来る羅針盤が必要だと思い、それを言語に落とし込む、という作業をしています。
どうしたら、医院として医療の質を高めつつも、今よりも効率的に診療を行い、最も課題となっている予約が取りにくいという問題をどう解決するか、という事を診療をしながらも考え、言葉を紡ぐ。
医院の組織図を再度、作り直し、チーフ、サブチーフ、チームリーダー、それぞれのマネージメントの範囲を決めて、あるいは人事評価制度を再度作り直して組織をより良い方向に向けられるのかを本気で考え、トライする。
そのマネージメントの中で、進む方向性を決めるのが「医院理念」です。
何の為の歯科医療なのか
何の為の歯科医院経営なのか
ブログなので、思いつくままに書いたやつの方を掲載しておきます。全然まとまっていないので、作る前のメモだと思ってください。
でもここでこれを出しちゃったら、この言葉に反する事は出来ない、っていう覚悟がなきゃいけない。この場で出すべきか、否か分からないけれど
以下
医院理念
歯科医療ってなんだ?
歯が綺麗だろうが汚かろうが
噛めるのか噛めないのか
その見た目や機能を何歳までどれくらい求めるのか
それは個人の自由だ
歯を綺麗にしなきゃいけない、保たせなきゃいけないという、固定概念の押し付けをうちの医院ではする必要はない
でも
人は失ってから、その失ったものの価値に気がつく
私達が扱うのは「健康」 そして多くの人はその健康はあって当たり前だと思っている
金や名誉や人からの承認
特に若い人は欲しいものは沢山あるかもしれない
ある程度の年齢になったとき
あるいは、富や名声など多くのものを手にしたとき
最も価値のあるものに気付くはずだ
それが「健康」と「人間関係」だ
歯科医療ってその「健康」を守る仕事だ。
多くの患者さんは何を気にしている?
お金だろう? そして 時間だろう?
いくらかかるのか いつまでかかるのか
それを患者さんは知りたがり、興味があり、そして同時に恐れてもいる。
時には「無理言わないで」って事を言う患者さんもいる。
それは「健康であって当たり前」という、患者さんの常識は崩れていない証拠でもある。
別に患者さんの常識を変える必要はない。
しかし、常識を変えることで得られることの価値や、逆にそのままの常識でいると失うであろう事を明確に、理解しやすい形で情報を伝える。
それは生活習慣に関わる疾患から健康を守る上で、最も重要な役割、仕事と言っても良い。
最も価値ある医療は「健康の維持」だと思う。
お金と時間を費やさなきゃいけなくなるのは「とっても悪いとき」だ。
今を維持する、あるいは今よりも悪くならない未来を作る為にどうしたら良いか?
その方法を伝え、遂行できる環境を提供する。
それが私達が目指す歯科医療のサービスの軸となる 予防ってやつだ
そして残念ながら既に健康を失ってしまった人達もいる
失ったものは戻ってはこない
しかし、患者さんの困りごとを解決したり、解決にまでは至らなくても和らげる事はできる
それを「治療」っていう
テクノロジー、方法論は沢山ある
その治療方法の選択を行う際に、患者さんの希望を最大限に聞いて実現しなくてはいけないのは間違いない。
生活習慣にまつわる疾患への治療選択であるからこそ、悪くなった原因があるのに、それを無視して選択を行ってはいけない
また、人は永遠に今と一緒なわけではない。
私達の医院は患者さんそれぞれが抱える問題やパーソナリティに合わせた選択と、それを実現する力がなければなければいけない
何故ならば、それが「プロフェッショナル」だから。
プロであるためには、学び、修練、意識が必要だ。
はらデンタルクリニックはプロが育つ歯科医院でありたいと思っているし、それを実現する為に、ここで働く皆が刺激しあい、協力して欲しい。
医院経営って何だ?
勿論、生きていくのには金が必要で、生きる糧を得る為に働いている
でも、ただ生きる糧を得る、その為だけに仕事をするのか?
私達は人生の時間の多くを仕事する時間に費やす。
せっかくならば自分達の費やす時間は、世の中の為、患者さんの為になっているならば嬉しいことだし、生きる意味をより深く感じられる
誰かに必要とされて、喜んでもらい、自分自身に価値を感じる事が出来る
出来れば私達にとって仕事っていうのはそういうものでありたいと思っている
はらデンタルクリニックは人に提供するサービスを磨く事で自分を磨く場にしたい
最近は医療の現場での保険医療の収益の低下の記事が多く見られる
命、健康と美容とどちらに価値があるのか?
言うまでもなく、命、健康だ
しかし、命や健康よりも美容に関わる仕事の方が収益性が高い
個人的な利益や、医院の経済的な事情だけを考えたら、美容、自費診療をいかに比率を高めていくべきか、という事が重要になるだろう
でも、皆に問いたい
君たちの生きる未来が、世の中がそうなっていく事に、何の危機感もないのか?
私はそんな未来を子供達に渡したいとは、俺は一人の親として思わない
だから
保険医療でも
歯を残したり、健康を守ったり取り戻す事が主体の医療でも
きちんと収益化出来る組織でありたい
医療ってものに携わる人の気持ちや行動が、価値に値する現実を生み出す経営をやりたい
今の時代、物価の高騰や人件費の高騰は顕著で綺麗事では済まない、って部分も確かになる。
変わらなきゃ生き残れない場面も出てくるだろう。
でも人生に限りはあって
「あーしておけば良かった」
とか
「あーやりたかった」
っていう、言い訳を、人生が終わってしまうその時にやらなかった言い訳にしたくはない。
仕事って何の為にするの?
最近の映画で、本当にそうだな、と思っているセリフがあるんだ。
「ガチになる為」
仕事っていうのが自分の人生で最も多くの時間を割くのなら、その時間、命をを自分に期待して希望を持って使いたいし、自分が残念で未来に失望したくない。
働くスタッフにも、それを望む。
院長の僕はこの仕事をしている上で人よりも優秀なのか、勤勉なのか甚だ疑問で、私達は不完全で改善点は沢山あって、訪れた患者さんや世の中がみんな私達を好意的に見てくれるわけじゃない。
むしろ、うちに来た事で不快感情を持っている人は患者さんでもスタッフでもいるわけで、それをゼロにする事は出来ない。
だからこそ唯一できる事。
「ガチになる事」
これを大事にしたいと思っている。
理念っていうのは進む方向性
今までも言葉で作ってきたけれど、院長の僕が老いていくのは勿論、組織も、働く人も変わっていく。理念はアップデートは必要になるけれど、絶対に変わらない部分が存在することが大事だ。
変わるべきじゃない事
「ガチである事」
これは世代にも、性別にも時代にも関係ない。
言ったらやらなきゃだよな
いつもそうあるのは難しいけれど