医院ブログと歯の豆知識

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医院ブログ2025.10.28

医療崩壊の危機‼️潰れる病院が増えてるって、本当?

2025年、医療法人社団皆誠会はらデンタルクリニックは開業18年目を迎え、おかげさまで日々忙しく診療しています。

予約が取りにくく、ご迷惑をおかけしているのは本当に心苦しい限りで、頑張って歯科医師の採用を行ない、10月に採用した歯科医師への教育、また先生本人の学びと練習も現在の状況を何とか打破すべく取り組んでいるところで御座います。

さて

題で書いた医療崩壊のお話をちょっとしたいと思います。

コロナ禍で、医院を閉めたり、予約を絞ったりしたのも、私達からするとそんなに昔ではないですが、世の中は

「そんな事もあったね」

という空気感です。

今もコロナがなくなったわけではないですが、クマの方が騒がせているかもしれません。

コロナ後、何が起こったか?

長く続いたデフレの日本において、物価の高騰、人件費の高騰、が急速に起こりました。

保険制度はそのスピードについていけません。

いや、スピードというよりも物価の高騰には。もうついていかない、と決めているのかもしれません。

昨日のテレビ番組で放送されていた内容ですが、今は保険点数は変わらないのに人件費、物価の高騰で、看護師さんが雇えず、東京大学病院の病棟が誰も入院していない病棟があるそうです。

潰れている病院も増えているそう。

また、番組の内容ではないですが、44ある大学病院のうち38施設が赤字で、その赤字の額は400億円を超える試算が出ています。

また、別の報道ですが、2050年には消化器外科医が5200人不足する見込み、という記事も見ました。

直接美容外科に就職する研修医の医師、いわゆる「直美=チョクビ」も年間200人ほどに上り、医科大学は大体1校100人ほどなので、大学医学部2校分の生徒全員が美容外科に就職する、という状況になっています。大学病院で空いている病院はありません。しかし、赤字だとするならば、激務に加えて給与が上がらない場所で、自分を犠牲にしてでも働きたい、という人は少ないか、ほとんどいないのが現状でしょう。

自費診療で報酬が高く、お休みも取りやすい美容外科に就職する場所として選ぶのも、せっかく過酷な受験勉強、山の様にある学ぶべきことを乗り越える学校生活、国家試験をクリアし、医師免許を取得して、豊かな人生を送りたいと望むのは医師の人生を考えれば理解出来ます。

昨年、私自身、腸閉塞で救急車を呼んだ時もなかなか受け入れ先が決まらず、腸を手術してくれた病院にも3ヶ月に一度通っている病院にも受け入れてもらえませんでした。

どこの病院でも人手不足が起こっている事を身をもって感じました。

私達の命に直結する、医科の世界で起こっている現実です。

このままでは今後は、もっと状況は悪くなるだろうと思われます。

歯科でも似た様なことが起きています。

所沢市でもある程度、年配の先輩方が医院を閉められる先生方も増えています。保険のCAD/CAMインレーやクラウンは保険で安価に白いものが入れられるメリットがあるけれど、長期に耐えうる材料なのかと聞かれると、あまりお勧め出来ないと感じています。

脱離もメタルに比較してかなり多いという問題もあるし、強度、摩耗に対しての問題は、調整をしているときの材質の柔らかさから、長期に使用するには弱いと感じていたりします。

国がなぜCADCAM(ハイブリットセラミックス)を保険に導入したのかというと、「金属代が高いから」です。

コロナ後に見た目は安価に治せる選択肢は増えましたが、数年後に多くのやり直しが増えていくのではないか、という危惧があります。

日本の保険制度はこれまで国民の人生を守るのに間違いなく重要な働きをしてきました。

国は過度に医療を優遇してきた部分もあるだろうと思います。

しかし、ここのところの物価、人件費の急速な高騰、急速な変化は、今までの保険医療システムと医療の現場、医療従事者に大きな混乱を起こしています。

人手が足りないから、雇用する側から見れば、出来ない医師、歯科医師は驚くほど給与が高い。

一方で保険の中でもきちんとやる医師、歯科医師でその仕事の質、量に見合う報酬を取れない先生方も沢山知っています。

そして、若い医師、歯科医師はそれ様子を見て自分の人生の選択をします。

報われない仕事、でも重要な仕事を、自分を犠牲にしてでもやり続けるのか

報酬が高くもらえる仕事の方法を選ぶのか

別に違法なことをやるわけではないから、その流れを誰も止める事はできません。

本音を言えば

「どうなる日本 どうなる医療」と思います。

見通しは決して明るいものではない。

だからこそ

僕は歯科医師だから言える絶対的な事実がある

「むし歯、歯周病にそもそもしないこと」

これからそれが今までにも増して最も重要になります。

そして歯並びは10歳までに歯を並ばなくなる原因となる成長の生涯に対してアプローチをしましょう。

国もそちらを見ています。

悪くしても簡単に歯医者に行けば治してくれる

そんな時代じゃなくなってきています。

ご自身と家族の健康を守ってください。

その為に定期的なメインテナンスには必ず通ってください。