医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEDGE

その他2025.07.29

新規患者様に関するお知らせ

今年で51際になりました。

これはスタッフが準備してくれたコーヒーと院内シューズです。

本当にありがたいです。

開院して18年目。本当にあっという間に時間は過ぎて、気がつけば、もうこの仕事のキャリアも間違いなく折り返し地点を過ぎた様に思います。

18年前に50歳の自分や社会、医院ってどんな風だろうと、当時想像していた事は何も当たっていなくて、コロナや地震や物価の高騰や大御所とも呼べる有名芸能人の急な退場など、本当に予想外の中を生きている感じです。

そして、そんな想像外の歯科医師人生の中でもここ数年、当院で最も問題になっているのは

「予約が取り辛い事」

です。本当に心苦しく思っております。

当院患者様や他医療機関からの御紹介、歯周病の治療、管理、新規患者様の初診の検査、セカンドオピニオン、小児の患者様、小児のマイオブレース希望の患者様、矯正希望の患者様、自費診療を希望されている患者様は早めに予約をお受けできます。

これは当院で、短期で対応する体制が関係しています。

最初にカウンセラーが医療面接を行い、歯科衛生士が検査を行う事に関しては対応が急げるのですが、歯科医師の治療ではない場合に関しては、比較的近々でも予約が可能なのですが、歯科医師の治療に関しては最短10月になってしまっています。

初診において保険診療の範疇で

「入れ歯を作りたい」

「むし歯を治したい」

「急いで治療をして欲しい」

の患者様は、すでに通って頂いている患者様の中でも対応すべき絶対数が多いので、上記の患者様に関しては予約が取りにくく、予約が10月以降になってしまっています。

特に変更事項としては当院では保険診療のブリッジを現在は行う事を今はやめています。

理由は金属価格の高騰で、保険診療のブリッジを作成した場合、確実に医院は赤字になるからです。

現在、医科の世界では44ある国立大学病院のうち29施設が赤字で、その総額は286億円の赤字になっているそうです。

保険診療においては、人件費の高騰、材料費の価格の高騰に制度が追いつかず、この様な事態になっています。大学病院は患者様で溢れかえるくらい忙しいのにも関わらず。

一般の入院施設のある病院の7割が赤字、という報道もありました。

院長の私が、はらデンタルクリニックをより良い医療を提供するためには、良い人材を獲得し、育成、定着して頂く事が重要です。

そして良い人材の雇用にはそれに見合う給与を出さなくてはなりません。

私は歯科医師であるのと同時に、歯科医院経営者でもあります。

そのためには不採算部門の診療を諦めざる得なくなりました。

それでも、根管治療においては赤字でも保険診療でマイクロスコープを用いて診療をしています。

自費診療、手術に関しては、月曜日を院長の移植手術、インプラントや抜歯、歯根端切除オペ、自費診療の日に設定しており、これらの希望がおありの患者様はもう少し早くご案内させて頂いています。

月曜日を保険診療よりも自費診療を行う日に頂いた経緯ですが、たくさんの治療を行う上で、単に来た順に御予約をとっていくと院長の得意とする手術や治療を優先的に行える様に時間を十分に確保出来なくなりました。

せっかく身につけた院長の技術を優先的に活かせる日を週に1日設ける事で、「はらデンタルクリニック」の価値を提供出来る体制を作るために、その様にさせて頂いています。

自由診療では患者様がお支払いになる金額は保険診療に比べて

ここ2年ほど、色んな取り組みを行なって参りました。

予約の完全ネット化、とか

自動精算機導入、とか

就職イベント参加、とか

そして何よりも採用活動

今年は新卒歯科衛生士6名の採用に成功し、現在、育成中です。

多くの患者様がいらっしゃっても予防、メインテナンス、歯周治療への対応する体制は見通しが立ってきました。

同時に、ドクター採用に関する取り組みを行なって参りました。

正直、効率化や採用活動は上手くいかずに、落ち込んでしまったりした部分もありました。

スタッフの協力もあり、色々行なった結果、成果としては来年4月より現在、研修医をされている歯科医師の先生に1名、内定を出させて頂きました。本当にありがたかったです。

しかし、すぐに予約の取りにくさを解消する事が出来ないのは現実で、当院に新規来院を希望されたり、治療でお待ちの患者様に対しては大変心苦しく思っています。

引き続き歯科医師の採用には全力で当たっていきます。

もしこの文章をお読みの患者様、あるいは求職者様で、当院の勤務を御検討頂ける方がいらっしゃいましたら御連絡頂けると本当にありがたいです。

現在、常勤歯科医師3名の体制で診療をしておりますが、前述の通り、十分に患者様のご希望に添える体制を整えられていないのは、全て院長の私の責任です。

大変申し訳ありません。

私が歯科医師になった時、こんな時代が来るとは到底思いませんでした。

18年前にこの地で開業した時

たくさんの患者様がこの医院に来て頂ければ、地域のお役にも立てるし、自分も豊かになれると思っていました。

まさか多くの患者様が来てくれる事が、人に迷惑をかけたり、経営上の悩みの原因になるとは全く想像してもいませんでした。

でも、これはこれからの日本の医療の未来です。

患者様はいても、人不足。

それに対応するにはどうすれば良いか?

病気にならない事です。

シュガーコントロールとフッカ物の応用を若年者より行い、歯磨きを頑張り、口呼吸、異常嚥下、などを小児の成長期より改善して、喫煙などの悪習慣を是正して定期的に歯科医院でメインテナンスを受ける事。

これが歯がなくなるのを防ぐのに最も効果的なのは間違いないです。

これからの歯科医院の役割は

「いかに治すか」ではなく

「いかに防ぐか」だと痛感しています。

予防希望の患者様は現在の体制でも対処できますので、どうか歯を悪くしてからではなく病気にしない様にお越しいただけるとありがたいです。

人不足の医療業界で歯科疾患で苦しまない様に、しっかり予防をしていきましょう。