医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEFGE

医院ブログ2022.12.01

今年は南陵中学校の職場体験が再開しました。

コロナ禍で中学生の職場体験が中止されていましたが、今年は再開され、初日は5名の生徒さんがいらっしゃいました。

出身校でもない中学校の体験学習を引き受けたきっかけは、私の中学校の恩師である藤森良一先生が南陵中学校にいらっしゃるときに頼まれたからです。

藤森先生は中学3年間担任(丸3年間同じ担任なのは僕だけ)と部活の顧問でお世話になり、部活動では全国大会入賞にまで導いて下さり、人生を変えて頂いた恩人です。

勿論、NOという選択肢はありません。

現在は藤森先生は定年を迎えられ、南陵中学校にはいらっしゃいませんが、せっかく僕と医院を中学生の研修の場として選んで頂いた以上、藤森先生は何を期待して選んでくれたのだろう?もし自分が中学生だったら社会人の知らないおじさんやおばさんに何を聞きたいのだろう?と思い、試行錯誤して始めて今年が4回目?になります。

3年ぶりのことで、八戸チーフ、技工士の添田先生が中心となり、スタッフ皆で何を体験させてあげるかを相談して実施してくれました。

中学生は勿論、無資格かつ臨床現場での事前教育もしていないので、安全性などを考慮すると患者さんに直接触れることはありません。

その疑似体験として普段、歯科医院の診療をサポートする為に裏方の仕事を体験してもらったり、実際に歯型を取る材料を使って型を取ってみたり、歯科機材を用いてコインを磨いてみたりみたりしてもらいました。初日は私は診療がありましたので、スタッフがカリキュラムを作り運営をしてくれました。

2日目は午前中は講義を行いました。

「仕事は何故するのか?」

「大人になってから思う、中学生で学ぶべき事は何か?」

「オトナとコドモ、それぞれの人生を豊かにする方法について」

「虫歯は何故なるのか?患者さんにオススメする歯科医院との関わり方、高齢化社会における歯科医院の果たすべき役割について」

について、お話をさせて頂きました。

おおきの中学生にとって仕事をするということはピンとこないと思います。

まだ就職するまで間のある学生さん達に何を話せば学びとなるのか?

それには中学生の時から今に至るまで自分がどういう気持ちの変化があったのかがヒントになると思っています。

結果、中学生の時と48歳の今と何かが変わったのか?

と言われると、実は見た目は腹も出てシワも増えて、大きく変わってしまったけれど変わっていないことも沢山あるんです。

皆さんはどうでしょう?実際自分が大人になってみて、若い時に想像した大人像に比べて自分が全然大人じゃないと思ったりしませんか?

勿論、様々な経験を経て変わった価値観もあるし、得た知識や経験はあります。

若い時に比べ、それを上手に使う冷静さとゆとりも出てきます。表現の仕方も違います。でも根本にあるものは実は中学生からさほど変わっていないと僕は思うのです。

歯科医院の院長の48歳の僕は、中学生からしたら自分の親よりもちょっと年上位の結構なおじさんで、分かり合えるところを見つけるのが難しい存在だと思います。

しかし、48歳のおじさんからすると、自分が中学生だった、あの日あの時の気持ちが鮮明に残っている記憶も沢山あるので、時代は変わっても中学生が考えることには共感出来ることも多かったりします。

僕は中学生の時に

「何故、将来使いそうもない事を勉強しなくてはいけないのだろう?」

とずっと思っていました。

その時に自分がなりたい姿や目標が明確だったわけではありません。でもいわゆる「良い学校に入る為」とか「勉強するのが学生の義務だから」なんて理由では全く勉強するモチベーションにはなりませんでした。だから、そう思っているから、勿論学校や先生に褒められるような生徒ではありませんでした。

院長になって、自分の掲げた理念に対し、一緒に働くスタッフに協力を仰ぎ医院経営をしていくようになって思うこと。

それは中学生に勉強をした方が良い場合がある事を伝える事と、仕事で新人を育成をしたりスタッフにお願いをする事と本質は何も変わらないという事です。

それを行う目的が明確で、生徒やスタッフが賛同ものである事。

そしてそれを行うことによって、その延長線上には生徒やスタッフの幸せがあること。今、やるべき行動と

幸せのと感じる事柄、状況は人それぞれ違います。

でもそれは違いであって間違いではありません。

それを学校なり職場なりが受け入れてくれるかで、

でもほとんどの人に当てはまることがあります。

誰でも人に自分の価値を自分以外の誰かに認めてもらえたら嬉しい

誰でも昨日の自分が成長していると実感できたら嬉しい。

誰でも自分のしたことが誰かの役に立っているならば嬉しい。

誰でも食べたり必要なものを買うのに経済的に困らない生活があって「ゆとり」が生まれ、ゆとりがあるからこそ思いやりが持てること。

結局、お金のためだけに仕事をしても幸せにはなれない。

自分が何を求めているか明確で、その願望を叶える為に今を生きていることが幸せを生むのだとお伝えしました。

当院であれば、結局は医院理念の戻ります。

「はらデンタルクリニックはお互いを承認し合いポジティブな人生を手に入れられる場にします」

「医学的、倫理的に妥当性のある個々の患者さんに必要な医療を安心安全に提供し続ける歯科医院にします。」

その理念を実現するための行動としてこれがあるんだ、という事を伝えていくのが僕と当院の幹部、先輩スタッフの使命だと思います。

子供にとっての大人

部下にとっての上司

その役割は一緒でどちらも

「今、すべき行動とその人の幸せを結びつけてあげること」

だと思います。

あと1日ありますが、はらデンタルクリニックに来て、少しでも役に立った、良かった、と思える時間を過ごして頂ければと思っています。