医院ブログと歯の豆知識

CLINIC BLOG & TOOTH KNOWLEFGE

医院ブログ2022.01.10

前橋から同級生が見学に来た話

1/8 に前橋より大学の同級生が医院見学に来ました。

21人スタッフはいるとのことなので、それなりに大きい歯科医院の院長先生です。

その同級生は大学卒業後に群馬大学の医学部の口腔外科の大学院に進んで、キャリアを積んでから開業をして今年で10年目になるそうです。

大学も1桁の順位で卒業している優秀な人です。

そんな優秀な先生が前橋からわざわざ見学に来たのは「困っている」からでした。

中でも1番困っているのは、スタッフマネージメント、医院のシステムでした。

特に彼にとって頭が痛いのは1年でスタッフ7人が産休に入るとのことでした。

常勤スタッフの4割が産休に入るのです。

それだけのスタッフがおめでたい事でいなくなり、帰ってくるにしてもその間をどう乗り切れば良いのか、僕もどうして良いか分かりません。

当院は歯科衛生士のチーフが4月より産休に入ります。

13年、苦楽を共にして泣いて笑って今の医院を作ってきたチーフが一時的でもいなくなることに実は日々僕も途方に暮れています。

自分にとって片腕、というより半身に近い存在がいなくなることで、医院はどうなってしまうのかという不安はきっと4月まで消えることはありません。

でも僕も含めた歯科医院で働く人の人生も、医院の時間も、患者さんの人生も、ずっと同じではなく、流れていくものです。

流れていく時間の中でメンバーは変わっていきました。でも、チーフは変わらずにずっていてくれるものだと、全く根拠なく思っている自分がいました。

今回、特定の人物にに依存するリスクを同級生の僕達は身をもって体感することになっています。

誰かだけに頼っていては、その人がいなくなることであっという間に組織は転落してしまいます。

ですから新たな人の流れ(採用システム)と仕組みを構築しなければなりません。

せっかく遠くから足を運んで来た同級生に何か持って帰って欲しいと思い、当院で取り組んでいることについて副院長、勤務医の先生、歯科衛生士チーフ、歯科助手チーフが対応してもらいました。

同級生には「どうしたら、こういうスタッフを採用できるのか?」と聞かれ、以前、僕が同じ質問を他の医院の先生にしたのを思い出しました。

当時、治療のこともまだまだ悩みも多かったし、スタッフとの信頼関係や思いの共有を構築出来ずに、色んな歯科医院に見学に行き、とても自分がダメな人間の気がして自分の医院より素晴らしいと思った医院の院長先生にたくさん質問をしました。

そして一般企業の方々は創業してからどうしてきたのかを学びました。

柳井さんも三木谷さんも孫さんもacesの松浦会長も、それぞれ色は違えど一代で今の企業を作った方達です。

経済界でも一流の方達であり、そんな方々と普通の歯科医院経営者の自分を比較するのはおこがましいのかもしれません。

能力の差はあるにしても、経営者として何故これほどの差が生まれるのかを真剣に考えました。

皆さん、創業して以来、優秀で思いを共有したり助けてくれる人達は沢山いたと思います。

でも必ず出会いと別れがあり、その中でも決して長くない時間であのような組織を創造されています。

組織規模が大きいことが自体が絶対的価値だとは思いません。

でも、僕達の歯科医院が患者さんに認めてもらえて繁盛すれば受け入れ体制を整えれば規模は大きくなります。

当然、やるべき仕事量が増える訳で、全部を自分でやることは出来なくなります。

誰にとっても時間は平等に流れ、有限なものです。

時間をどう使うかが未来を作ることだと思います。

スティーブジョブスも「やることを決める事と同じくらい、やらない事を決めるのは重要だ」言っています。僕は伝える力やハマった時の集中力においては人に負けない部分があるけれど、逆に、普通の人に全然足りていない部分が沢山あります。

出来ない事を克服するより出来る事に時間を割く事が重要だと思っています。

だから、任せる事こそ医院成長の鍵だと思っています。そしてマニュアル以外のシュチュエーションでの経験を積み重ねる事で、それぞれのスタッフが自ら考え、最適な行動を選択する習慣を作る事が大事なのかなと思っています。

だから、院長の自分しかできない事と自分以外でも出来る仕事を選別し、然るべき人に仕事を任せて責任は院長が取る事しかないと思っています。

まだまだ課題の多いはらデンタルクリニックですが、結果、とても勉強になったと言ってくれました。

スタッフが褒められることは本当に嬉しいことです。

診療終了後に食事会を開きましたが、その後、横浜で開業する同級生も合流し、色んな話をしました。

その彼はとても温かでフレンドリーな人間性で周りを虜にする人です。ファンの患者さんも多い様です。

落ち込んでいた時に彼といると本当に腹の底から笑えて助けてもらったりします。

散々人を笑わせて朝7時には「9:30から仕事だから、じゃ!」と帰っていきました。めちゃめちゃパワフルでした。

今回、集まった大学の同級生で昔の様に沢山笑ったけれど僕達は気がつかないうちに年を取り、昔の様に話すけれど気がつけば医院と家庭を持ち、「大人」になっていました。

変わらないものもあるけれど、成長してお互いが刺激をしあい、良い影響を与えていける同級生でありたいと思いました。