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14:30~19:00

[休診]日曜・祝祭日

月1度、日曜診療あり。詳しくはスタッフまでお尋ねください。

お知らせ

INFORMATION

大晦日に2020 を振り返って

2020年も今日で終わります。

今年は私達はここ100年では前代未聞の事態に直面しました。

新型コロナウイルス感染症です。

昨年の年末から中国で感染の広がりの報告がありましたが、当時日本や他の地域は対岸の火事という見方が殆どでした。

しかし1年の間に感染は世界に瞬く間に広がり、昨年の年末とは全く違う年末を迎える事になりました。

今年の4月、当院は1ヶ月休診にしました。

あの時点でどれだけの人が亡くなってしまうのか、予想も出来なかったからです。

そして患者さんに聞いた御友人の御家族がコロナにかかったお話は衝撃でした。

御主人は重症で入院し、奥様は軽症でホテル隔離となりました。御主人は日に日に悪化していき、数日後に亡くなったと奥様に伝えられました。しかし、奥様はホテルを出ることは出来ず、最後に顔を見ることすらかないません。

隔離期間を終えて対面したのは骨壷に納められた御主人の遺骨でした。

同じ時期に80を超えた父も肝臓の膿瘍で入院していました。

見舞いに行く事も出来ず、同じような事になってしまう恐怖もありました。

こんなストーリーをうちの医院から出してはならない。休診に迷いはありませんでした。

とは言っても、医療機関が患者さんも全て放ったらかしは無責任ですので、妹のドクターと助手チーフ1人で急患対応と時期的にタイミングを逃せない移植手術だけを4月は3人で診療をしました。チーフは怖いと泣いたけれど、支えてもらい本当にありがたかった。妹もあらゆる手を尽くして協力してくれました。

開院して13年。これだけの赤字を出した事はなかったですし、何ヶ月もこれが続くならば、スタッフにも患者さんにも本当に申し訳ないけれど医院は今の規模を一度リセットしなければならないだろうという覚悟もしました。

同じ法人の小児科も大きな経営的ダメージを受けました。皆が学校に行かないので感染症が広がらないのです。人が健康になるのは良いことだけれど、僕達医療人はある意味人の不幸で飯を食っているとあらためて思いしらされました。

僕の息子はこの自粛期間中に色んなもののバランスを崩して起立性調整障害という病気になり学校に行けなくなりました。

5月になり、厳戒態勢の中、診療を再開しました。

次第にウイルスの性質や感染経路が分かり、歯科医院がクラスターの現場となった事例が殆ど無かった為です。

診療再開後は防護衣、グローブ、アルコール、消毒液の不足する中、患者さんや僕達の触れる場所を消毒やラップを巻いて捨てたり、スタッフには多くの負担をかけました。

スタッフルームにもパーテーションで区切り、会話を制限する事でコミュニケーション不足による問題も起きました。

多くの人が楽しみにしていたオリンピックは延期になり、多くの業界は経済的に大きな影響を受けました。歯科医院はマシな方で、飲食店、旅行業界、などはダメージは甚大で、医院の周囲のお店もいくつか閉店しました。

10月位から例年の患者さんの数に戻ったと感じ始めた矢先、感染は第3波を迎えました。

春に比べ、感染者は増えているけれど死亡者、重症者が少ない事が分かったせいか患者さんは減りませんでした。

イギリスや南アフリカでは変異種の発現の報告があり、もう日本にも入ってきているようです。

 

今まで当たり前だった事

交通網の発達で世界は小さくなり、何処へでも自由に行けた事

明日も健康である事

子供達が健康に学校に行くこと

あらゆる行事が例年通り開催できる事

休みの日は何処に遊びに行こうか悩む事

お店はいつものようにお客さんでいっぱいになり、みんな笑顔で食事する事

スポーツ選手が多くの観客の前で試合ができる事

エンタテイメントが多くのお客さんを集め、感動させたり、声をあげて盛り上がる事

当たり前だった日々は失われて初めてその大切さに気がつきます。

患者さんが来て下さるのも

スタッフが元気に出勤してくれるのも

今日も明日も普通に診療が出来るのも

当たり前ではなかった

 

多くの人が亡くなり、今も苦しんでおられるこのコロナ禍が良かったということは全くない。

しかし、苦しみがあったからこそ学ぶ事は沢山あったし、苦しんだだけで終わらせてはいけないとも思います。

今後も天災や感染症、人類を脅かす脅威が来た時に僕達は如何に迅速に対処すべきかの重要性を知ったはずです。

1つの上手くいっている事だけに依存していると、その分、ダメージは大きい。

それは

仕事のスタイルであったり

人であったり

経済的基盤であったり

それはある時間軸の中でその事が強みが強みであるほど、ゲームチェンジが起こると弱みにもなり得る。

そして今回知った事。ゲームチェンジはいつ来るか分からない。

だからこそ家庭を持つ人間としても、歯科医師としても、経営者としても変化する事を恐れても怠ってもいけないのだと思いました。

そしてどれくらい後になるのかは分からないけれど

世界にはやがて今までの日常も返ってくるのでしょう。

その時に忘れてはいけない。

悲劇の中で失われた多くの命があり、世界が大混乱に陥った事を。

そして何が起ころうと前を向き、対応し生き抜く強さが必要な事を。

 

年が明けても感染症が無くなる訳でも経済が良くなる事もありません。

新型コロナの症状に苦しむ患者さん、休みなく対応する医療従事者の皆様、経済的に困窮されている方の苦しみが2021年になればリセットされる訳ではありません。

でも昨年の年末が今年の年末とは全く違った様に、来年に好転している可能性はあるはずです。

願わくば2021年が皆様にとって光があります様に